カシノナガキクイムシ被害調査

   カシノナガキクイムシによるナラ枯れの被害が愛知県下でも広がっています!
 調査にご協力下さい!!

 目的
   2005年より名古屋市内の一部の緑地や公園に於いて、コナラ・アベマキ・シラカシ・シイの木にカシノナガキクイムシの被害と思われるフラスがあちこちで見受けられるようになりました。2006年には、その被害が名古屋市全体に広がり、コナラ・アベマキの胸高直径20センチ以上の樹木に立ち枯れが見られるようになってきました。
 日ごろの活動の場をこうした緑地や森にしている自然観察指導員として、この問題を見過ごすことはできず、この問題についての情報を共有したり、観察会などで参加者に話題を提供したり、環境保全の立場から調査活動に参加を促すことも大切になります。
 そこで、会員が日頃フィールドとしている場所や何かの用事で訪れた緑地などでこうした被害を観察した場合に、それを記録し、活かすことが本調査の目的となります。
穿入痕

 カシノナガキクイムシの知識
  1. 被害の推移〜被害を受けやすい樹種は、コナラ・アベマキ・シラカシの順で、被害を受けた樹は、7月下旬から始まり8月中旬に枯れが目立ち9月上旬までにほぼ枯れてしまいます。
2. 被害の原因〜ナラ類の枯死は体長5mmのカシノナガキクイムシ(以下「カシナガ」と言う)という甲虫の仲間により樹幹内下部辺材に多量に持ち込まれたナラ菌で、通水阻害を起こし枯死すると言われています。
3. ナラ枯れの特徴〜被害木は樹幹下部に集中してカシナガの穿入痕があり、根本に木屑が散乱しているのが特徴で、先端部から枯れ始めます。
4. カシナガの生態とナラ枯損のメカニズム〜カシナガ新成虫は、枯死した木から6月下旬に羽化脱出し、オスが新たな対象となる生立木に穿入し、集合フェロモンを出して大量のカシナガを集めます。カシナガが孔道を掘るとき体表面に大量のナラ菌を付けており、これが繁殖して通水阻害が起こり先端から枯れ始めます。

 調査のスケジュール
3月:総会や協議会ニュースで協力の要請
5〜10月:各地区に於いて調査と報告(10月末日で中間締め切り)
12月末:名古屋支部で結果をまとめ、協議会ニュースと本ホームページで発表の予定

 調査報告書
みなさんが調査で得られた結果は、協議会ニュース109号に掲載の調査報告書で、
名古屋支部堀田までFAXをお願いします。

 FAX番号 052-704-1196

調査報告書はこちらからダウンロードできます(Excel 17.5 KB)

 (以下に協議会ニュース109号(平成18年11月発行)の記事を抜粋して掲載いたします。)

 カシノナガキクイムシの被害は、1934年九州でナラの木が枯れる被害が確認されたのが国内における最初と言われています。以降1952年ナラの集団枯損が兵庫県で確認され、一時は収まっていました。1973年新潟県で発生、1980年後半以降日本海側の地域を中心に、ナラ類(主に、コナラ・ミズナラ)が集団的に枯れる被害が拡大してきました。さらに、1999年には本州太平洋側に位置する紀伊半島においても被害が報告され始め太平洋岸でも拡大傾向にあり国会でも問題となっています。現在の被害地域は、山形・福島・新潟・富山・石川・福井・滋賀・三重・和歌山・京都府・奈良・兵庫・島根・鳥取・岐阜・長野の県内に及び、被害はそれぞれの地域で増加拡大の傾向にあります。愛知県は2005年まで、被害報告もなく2006年名古屋市内で発生の被害報告により県レベルでの調査対応の動きを待っているところです。

 名古屋支部の動き
 名古屋支部(名古屋自然観察会)では、2005年に2006年度調査事業として「カシナガ調査プロジェクト」と銘打ち、6月より支部調査活動を開始しました。現在までの調査経緯を紹介します。2004年7月に開催された猪高緑地自然観察会において、胸高直径約35cmのアベマキの木2本が枯れているのが観察されました。当初は枯れた原因が知識もなく、なぜかわかりませんでした。翌年2005年9月【財】森林文化協会主催の自然観察会を猪高緑地で開催協力した時、全国から来られた参加者から、アベマキの枯れた原因は、カシノナガキクイムシの被害では?とヒントを頂き、切り倒した木よりカシナガの幼虫を捕獲したことがキッカケとなり調査を始めました。2005年猪高緑地での被害は、コナラ・アベマキ合計10本、明徳公園でコナラ3本、瑞穂公園でスダジイ・ピンオークなど3本の被害を確認しました。2006年も猪高緑地で観察を続けていましたところ、6月時点において緑地全体でカシナガ穿孔被害が、4ヶ所で約40本。7月20日には、緑地内全体で約120本も観察され、異常な広がりに、緑地の管理者である名古屋市緑政土木局・名東土木事務所、及び愛知県環境部に報告を行い、愛知県森林林業技術センター技師にカシナガ個体の標本を提出しました。現在、太平洋型?日本海型?を遺伝子レベルで飛行ルートの結果まちとなっていますが、愛知県環境部の対応は、初耳の話としてまだ被害としての危機感、予防措置など認識がなされていない様に感じられます。名古屋支部においては、2006年7月より調査協力体制を組み、名東自然観察会が主体となり、データ収集を行なっています。現在、本調査におけるデータとしてまとめをどの様に行うか?を名古屋自然観察会「カシノナガキクイムシ調査プロジェクト」内で検討をしており、観察指導員としての知識の習得・カシナガの生態・自然環境の保全のあり方・等々これからカシナガプロジェクト内でいろいろな勉強会・行政に対する提案等取り組み方をまとめていく予定です。本年は、名古屋市内の被害場所状況を把握する程度とし、支部調査活動として長期的な取り組みになると思います。
 また、PR活動として、本年9月17日名古屋市環境局主催の「環境デー名古屋2006会場」ブースに於いて、名古屋地区の被害データまとめを、なごや市内地図にプロットしてカシナガのフラス・カシナガの標本・被害木の展示を行い来場頂いた方より、自然保護活動と今後の森作り・緑地帯保全に対する方向性等の参考意見など貴重なご意見も頂きました。
2006年9月30日現在の被害情報(名古屋自然観察会カシナガ調査プロジェクト調べ)
滝の水緑地(緑区)・名古屋城内(中区)・城山八幡宮(千種区)・海上の森(瀬戸市)・森林公園(尾張旭市)・東山植物園(千種区)・大高緑地(緑区)・牧の池緑地(名東区)・明徳公園(名東区)・猪高緑地(名東区)・小幡緑地(守山区)・相生山緑地(天白区)・荒池緑地(天白区)・天白公園(天白区)・島田湿地(天白区) 

 対策について
 猪高緑地では、本年7月に名東土木事務所と協働し、被害木の薫蒸処理・立木に薬品の打ち込み、駆除テストを行いましたが、これといった被害に対する防除方法の決め手がないのが実情と感じました。緑地全体の更新を視点として長期的に考えた時、穿孔された小径木の伐採は、当年10月〜11月に行うことにより来春の萌芽も期待でき、次世代に残す為の緑地作りという保全管理のためのカシナガ被害木伐採の提案も行っています。しかし、伐採予算もなく手をこまねいているのが現状です。
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